AI副業の基礎
AI副業の値付け。最初の金額を決める手順
最初の金額で止まる人へ。安くする前に、作業の中身を先に分けます。
AI副業で最初の相談が来たとき、作業内容より金額の一言で手が止まることがあります。高いと言われたくない。でも安くしすぎると続かない。相場を調べても、自分に当てはめると急に分からなくなる。
止まる原因は、値段だけを単独で決めようとしているからです。金額には、作業範囲、修正回数、納期、相手との確認の手間が含まれます。ここを分けないまま、いくらなら失礼ではないかと考えると、いつまでも決まりません。
最初の値付けは、強気に売るための作業ではありません。自分が無理なく納品できて、相手にも何を頼んでいるか伝わる形にするための作業です。案件選びの段階で範囲を見たい人は、先にAI副業の案件選び方。最初に見る3つの基準を読んでおくと、この記事の金額の考え方もつながりやすくなります。
金額の前に、どこまでやるかを決める
最初に決めるのは金額ではなく、どこまでやるかです。値付けで崩れる人は、ひとつの仕事に見えているものを、ひとまとまりのまま値段にしようとしています。
たとえば、SNS投稿文を作る仕事でも、中身はいくつかに分かれます。相手の情報を読む。投稿の目的を確認する。AIで下書きを作る。自分で直す。相手に見せる。修正する。最後に納品する。これらを全部含めるのか、一部だけなのかで、同じ投稿文作成でも金額は変わります。
料理で言えば、完成した弁当だけを見て値段を決めるようなものです。実際には、材料を買う時間、下ごしらえ、調理、詰める作業、片付けがあります。おにぎりだけ作るのか、弁当を一式作るのかで手間は違う。仕事も同じで、完成物の名前だけでは値段を決められません。
手元では、まず次のように作業を分けます。
- 事前確認
- AIでの下書き作成
- 人の目での修正
- 初稿の提出
- 修正対応
- 納品メッセージ
このうち、今回の金額に何を含めるかを決めます。初心者のうちは、含める範囲を広げすぎないほうが安全です。投稿文なら5本まで。修正は1回まで。納期は依頼確定から3日後。こうして線を引くと、値段がただの感覚ではなくなります。
修正回数と納期を、先に金額へ入れておく
AI副業の値付けで見落としやすいのが、修正回数と納期です。AIで下書きが速く作れると、作業時間だけを見て安く置きたくなります。でも実際に時間を使うのは、下書きのあとです。
相手から、もう少し明るくしてください、別案も見たいです、やっぱり商品名を変えます、と返ってくることがあります。これは自然なやり取りです。ただし、最初に修正回数を決めていないと、どこまでが最初の金額に含まれるのか分からなくなります。
納期も同じです。急ぎの仕事は、作業時間が同じでも負担が変わります。本業のあとに作業する人なら、当日中の納品はかなり重い。夜にAIで下書きを出せても、自分で確認し、相手に送るところまで考えると余白がありません。
最初は、次の3つをセットで置きます。
- 初稿をいつ出すか
- 修正は何回までか
- 追加作業は別見積もりにするか
たとえば、投稿文5本、初稿は3日以内、修正1回まで、追加案の作成は別途相談。このように書けると、相手も確認しやすくなります。金額だけを伝えるより、何が含まれているかが見えるからです。
ここで大事なのは、安く見せることではありません。終わりを見えるようにすることです。終わりが見える仕事は、相手も頼みやすく、自分も続けやすい。反対に、安いけれど修正が終わらない仕事は、最初の経験としてかなり消耗します。
最初の金額は、時間から逆算して置く
範囲、修正回数、納期が決まったら、ようやく金額を考えます。最初は相場を当てにしすぎず、自分の時間から逆算するほうが現実的です。
手順は3つです。
- 作業ごとにかかる時間を置く
- 合計時間に、自分の時間あたりの目安をかける
- 初回の不慣れな確認時間を少し足す
たとえば、事前確認に30分、AIでの下書きに30分、人の目での修正に1時間、提出メッセージと修正対応に1時間と置くと、合計は3時間です。自分の時間あたりの目安を決めれば、最低でもこの時間ぶんは必要だと分かります。
金額の目安そのものは、人によって違います。本業の時給、生活の余白、経験、相手に渡す責任で変わります。ここでAIに、いくらにすべきですかと丸投げしないほうがいいです。AIには、作業工程に抜けがないかを確認してもらう。最後の数字は自分で置く。この分担のほうが安全です。
AIに聞くなら、次のように頼みます。
次の仕事を初めて受ける前提で、作業工程を分けてください。
仕事内容:
◯◯
条件:
・初稿は◯日以内
・修正は◯回まで
・納品形式は◯◯
出してほしいもの:
・必要な作業工程
・抜けやすい確認項目
・追加料金に分けたほうがよい作業
この返答を見て、自分の工程表に足りないものを足します。AIの答えが事実かどうかを確認する姿勢は、AIの答えをうのみにしない確認のコツでも触れています。値付けでも、AIは判断者ではなく、抜けを見つける相手として使います。
安くするなら、理由と条件を一緒に出す
最初の仕事では、実績づくりとして少し低めに置く判断もあります。ただし、理由なく安くするのは避けます。なんとなく安くした金額は、次に戻しにくいからです。
下げるなら、理由を添えます。初回のため、この範囲に限って、この納期であれば、この金額で受けます。こう書けば、安さが通常価格ではなく、条件つきの判断だと伝わります。
値引きを求められたときも、金額だけを動かさないほうが安全です。作業内容はそのままで金額だけを下げると、最初に作った根拠が崩れます。下げるなら、修正回数を減らす、納品本数を減らす、急ぎ対応を外すなど、範囲も一緒に調整します。
手元の返し方は、短くて構いません。
ご相談ありがとうございます。
◯◯円で進める場合は、修正を1回まで、納品本数を◯本までに調整すれば対応できます。
内容をそのままに金額だけ下げると、確認時間を十分に取れないため、この条件でご検討ください。
この言い方なら、相手を否定せずに条件を示せます。見積もり文面そのものを整えたい場合は、そのまま使える、見積もりの文面テンプレに全文の型があります。
送る前のチェックリスト
金額を決めたら、送る前に1分だけ見直します。最初の値付けは、数字の高さより、あとから説明できる形になっているかが大事です。
- 作業範囲は書いたか
- 納品物の数や形式は書いたか
- 初稿の期限は書いたか
- 修正回数は書いたか
- 含まれない作業は書いたか
- 追加相談になる条件は書いたか
- 自分が無理なく確認する時間は残っているか
この7つが埋まっていれば、金額はかなり伝えやすくなります。反対に、どれかが空欄のままだと、あとで作業がふくらむ可能性があります。
最初の値付けは、うまく売るための駆け引きではありません。自分の作業を分けて、相手が頼む範囲を見えるようにする作業です。金額だけを先に決めず、範囲、修正、納期、追加条件の順に置く。そこまでできれば、最初の一言はかなり出しやすくなります。