AIツールの使い方
ChatGPTにCSVを渡す前に確認する4項目|集計結果をうのみにしないシート
公開
CSVを入れれば集計が終わるように見える。でも、何を数えたのか説明できないまま、きれいな表だけが残ることがあります。
CSVをChatGPTへ渡して、「見やすくまとめて」と頼んだ。表もグラフも返ってきたのに、元の行と合っているかは自信がない。そんな時、もう一度CSVを開いて、どこを見ればよいか分からなくなることがあります。
止まる原因は、集計が苦手だからではありません。表の形、AIへ頼むこと、返ってきた結果の確認を、ひとつの作業として始めているからです。先に4項目へ分けると、アップロード前に迷う場所と、出力後に人が見る場所を分けられます。
ファイルを渡せても、何を数えるかは決まっていない

ChatGPTでは、アップロードしたデータから表やグラフを作ったり、列や行を整理したりできます。ただし、ファイルを渡した瞬間に「何を知りたいか」まで決まるわけではありません。
たとえば、地域の読書会について架空の回答を6件並べたCSVを考えます。そこに「満足度」「感想」「参加しやすい曜日」があるとしても、知りたいのが曜日の傾向なのか、感想の分類なのか、空欄の有無なのかで、見るべき列も計算も変わります。
これは、食材を買って冷蔵庫に入れた状態に似ています。材料がそろっても、誰が何を食べるのかを決めなければ、夕食にはなりません。CSVも、表の中身と問いを分けて初めて、集計の意味が見えます。
OpenAIは、表計算データを扱うとき、分かる列名を先頭行へ置き、1行を1件にする形を案内しています。使える形式や画面は、モデル、プラン、アカウント、ワークスペースによって異なり得るため、自分の画面で確かめます。
「CSVを渡す」と「この問いに答える」は別の作業です。 先に問いを一つに絞ると、あとで見直す場所も絞れます。
アップロード前は、4欄だけを紙に書く

最初に決めるのは、細かい分析方法ではありません。次の4欄です。どれかが空欄なら、CSVを渡す前に止まる目印になります。
| 欄 | 書くこと | 架空の読書会での例 |
|---|---|---|
| 1. 目的 | 受け取った後に決めたい一つのこと | 次回の案内で確認する話題を一つ選ぶ |
| 2. 表の形 | 1行が何を表し、どの列を使うか | 1行は回答1件。theme と comment を使う |
| 3. 入れない情報 | 今回の練習へ持ち込まないもの | 氏名、連絡先、勤務先、未公開の予定は使わない |
| 4. 確認する結果 | 出力後に元の表と照らす場所 | 話題ごとの件数と、各話題の元行番号 |
コピーして使うなら、次の形です。
【目的】
この表を見た後に、[一つだけ決めること]
【表の形】
1行は[何を表すか]。使う列は[列名]。
【入れない情報】
[個人情報、顧客情報、未公開情報など]
【確認する結果】
[合計、元行、前提、空欄の扱い]
会社や取引先の表を練習用に使う必要はありません。外部AIへ入れてよい情報かを、勤務先や取引先のルールより後に決めることもできません。固有情報を判断条件へ置き換える考え方は、会社情報を相談文へ翻訳する4つのルールで先に確認してください。
公開情報か架空CSVで、表の形を一度通す

最初の練習には、本業や顧客のデータではなく、公開情報または自分で作った架空のCSVを使います。ここでは、架空の読書会アンケートを題材にします。
row_id,theme,attendance,comment
1,時間帯,平日夜,仕事の後なら参加しやすい
2,説明,土曜午前,初めて向けの説明がほしい
3,時間帯,平日夜,短い時間なら参加できる
4,題材,日曜午後,小説以外も読みたい
5,説明,土曜午前,持ち物を先に知りたい
6,時間帯,平日夜,開始時刻を早めに知りたい
このCSVは、実在の参加者やイベントを表しません。1行が回答1件であること、先頭行に列名があること、無関係な別表を同じシートへ混ぜないことだけを試すための材料です。
アップロードするファイルは、利用するChatGPTの設定やデータ管理の説明も自分で確認します。OpenAIは、アップロードしたファイルがLibraryへ保存され得ることを案内しています。だから「あとで消せばよい」と考える前に、そもそも入れない情報を4欄へ書いておきます。
練習の目的は、実在データを早く処理することではありません。表の形と確認順を、影響のない題材で一度通すことです。
頼む時は、使う列と返してほしい形を分けて書く

「このCSVを分析して」だけでは、どの列をどう扱うかが広すぎます。OpenAIも、何を知りたいか、どの列、計算、分類、表の形を使うかを指定することを案内しています。
上の架空CSVなら、依頼文はこのくらいに絞れます。
添付した架空のCSVを、練習用として整理してください。
目的:
次回の案内で先に確認する話題を一つ選ぶ。
使う列:
row_id、theme、attendance、comment
してほしいこと:
1. themeごとの件数を表にする
2. themeごとに、対応するrow_idを並べる
3. commentを短く要約する。ただし元の行にない理由は足さない
4. 空欄や判断できないものは、推測せず「確認が必要」と書く
確認したいこと:
集計方法の前提と、元のCSVへ戻って見直す行を最後に示す。
外部送信、予定の決定、元データの変更はしない。
ここで頼んでいるのは、予定を決めることではありません。表の下書きと、見直す場所の案です。出力を見て「平日夜が多い」と分かっても、次回の開催日時を決めるのは別の仕事です。
表にグラフが添えられていても、先に表と元行を確認します。図の見た目が整っていることと、集計の前提が合っていることは同じではありません。
結果は、元の数行と合計へ戻って確認する

ChatGPTがコードを使って分析した場合、OpenAIは生成されたコード、出力、前提を確認してから結果に依拠するよう案内しています。最初から全行を疑う必要はありません。4欄の「確認する結果」に戻って、少数の行と合計を照らします。
架空CSVでは、次の順番で見ます。
themeが「時間帯」の行を元CSVで数え、出力の件数と合うか見る- 出力に並んだ
row_idが、元のコメントと対応しているか見る - 空欄や分類できない行を、勝手に別の話題へ入れていないか見る
- 要約に、元の行にない事情や数字が足されていないか見る
反対に、6行程度の表で自分が全行を読めるなら、長い依頼文や細かな分類まで使わなくてよい場合もあります。その時も、目的を一つにし、合計と元行を一度照らすところは残します。
AIの出力全般で、一次情報、日付、数字、未確認をどう分けるかは、AIで調べものをするときの確認リストも役に立ちます。CSVの集計では、数字だけでなく、どの行を数えたのかまで戻れる状態を残します。
今日やることは、実在の表をアップロードすることではありません。架空CSVを6行だけ作り、目的、表の形、入れない情報、確認する結果を埋めてから、使える自分の画面で試すことです。結果の合計と元行を説明できたら、次に扱う表の範囲も自分で決めやすくなります。