AIアノテーターの副業は、AIが学ぶ画像や文章などに目印や評価を付ける作業で、在宅でもできます。応募前に作業内容・契約・報酬・守秘・本業の規則を確かめます。

「アノテーション」という言葉を見かけて、自分にもできそうだと思った。けれど、募集を開くと、作業の中身も条件もばらばらで、どれを選べばよいか分からない。そんな状態の人に向けて、応募前に見る6項目と、最初の1件の進め方をまとめました。

AIアノテーターの副業とは?AIが学ぶ材料に目印を付ける仕事

机の上のノートPCの画面で、丸と四角の形をそれぞれ黄色い枠で囲んでいる場面と、横に置いたメモ用紙

一言でいうと、AIに見せる材料へ、人が正解の目印や評価を付ける仕事です。AIはこの目印を手がかりに学ぶので、作業する人には決められたルールどおりに付ける正確さが求められます。

募集で見かける作業は、たとえば次のようなものです。

  • 写真の中の車や人の位置を、四角い枠で囲む
  • 文章を読んで、問い合わせ、苦情、感想のどれに当たるかを分ける
  • 音声を聞いて、話している内容を文字に起こす
  • AIの答えを2つ並べて、どちらが質問に合っているかを理由と一緒に評価する

最後のようにAIの回答を評価する仕事は、「AIトレーナー」などの別の名前で募集されている場合があります。名前は違っても、渡されたルールを読み、迷った例をルールに照らして判断し、同じ基準で付け続ける点は同じです。

台所で、下ごしらえのやり方が決まっているお店を思い浮かべてください。野菜の切り方が人によって違うと、料理の味がそろいません。アノテーションも同じで、目印の付け方がそろって初めて、AIの学ぶ材料として使えます。

2026年10月2日に「AIアノテーター 副業」でGoogle検索の上位10件を確認したところ、クラウドソーシングの募集一覧、求人サイト、経験談の記事が混ざって並んでいました。募集の入口はいくつもあります。だから、どこで探すかより先に、募集を見比べる物差しを持っておくほうが迷いにくくなります。副業の案件をどこで探すかの全体像は、副業の最初の案件はどこで探す?初心者向けの3つの場所にまとめています。

応募前に何を確かめる?求人を見る6項目

チェック欄の付いた6枚のカードが2段に並び、そのうち1枚に虫めがねを当てている場面

応募するかどうかは、次の6項目を募集文で確かめてから決めます。書かれていない項目は、応募前に質問するか、その募集は見送ります。

確認項目募集文で見るところ書かれていない時の動き方
1. 作業の中身何に、どんな目印を付けるか。作業例やマニュアルがあるか作業例を見せてもらえるか質問する
2. 契約の形雇用(アルバイトなど)か、業務委託か契約書や利用規約の種類を確認する
3. 報酬の決まり方1件ごとか時間ごとか。差し戻しや不合格の時の扱い検収の基準と支払いの時期を質問する
4. 守秘と作業環境使ってよいPCや場所、画面の撮影や持ち出しの禁止自宅の環境で守れるかを先に考える
5. テストと研修応募後のテストや研修があるか。その時間に報酬が出るか応募前に流れを確認する
6. 先払いの有無登録料、教材代、機材の購入を求めていないか求められたら応募を止める

とくに読み飛ばさないでほしいのが3と6です。1件ごとの報酬では、作業の速さだけでなく、差し戻された作業を直す時間も自分持ちになることがあります。数字が大きく見える募集ほど、1件あたりの作業量と、差し戻しの条件を一緒に読んでください。

6は、判断を迷わなくてよい項目です。仕事を受ける前にお金を払う流れになっている募集は、その時点で応募を止めます。

2の契約の形は、働き方のルールが変わる分かれ目です。雇用か業務委託かで、作業時間の管理のされ方や、納品の約束の仕方が変わります。言葉の違いは、業務委託とは。雇用との違いを副業の入口でわかる言葉にで整理しています。

迷う募集が残ったら、6項目を紙に書き、募集ごとに「書いてある」「質問する」「見送る」の3つで印を付けます。比べる物差しが紙に残っていれば、次の募集を見る時間も短くなります。案件を選ぶ基準をもう少し広く見たい人は、AI副業の案件選び方。最初に見る3つの基準もあわせて読んでみてください。

これから副業の準備を進める人は、AI副業準備室のはじめての方へで、最初の1週間に何から手を付けるかを確認できます。

会社員が副業で始める前に、本業側で確認することは?

閉じたノートPCとコーヒーカップの横に、マス目の一部に色が付いた卓上カレンダーを立てて置いた机の場面

先に確認するのは、勤め先の就業規則と、副業にかけられる時間、税金の手続きの3つです。在宅で短い時間の作業でも、本業のルールが先に来ます。

厚生労働省は、副業・兼業について、企業や働く方が今の法令のもとで気を付ける事項をまとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公開しています(厚生労働省「副業・兼業」)。勤め先によっては、副業の内容を届け出る決まりがある場合があります。同じページには、企業が働く方の申告をもとに副業・兼業の内容を確かめる時の参考になる届出様式例も載っています。応募の前に、就業規則の副業に関する部分を読み、必要なら担当部署に確認してください。公務員の場合は、勤め先の規程と担当部署の案内を先に確認します。

次に時間です。アノテーションは区切りのよい作業に見えますが、ルールを読み込む最初のうちは、思ったより時間がかかることがあります。平日の夜に何分、休日に何分と、先に上限を決めておくと、本業の睡眠や準備を削らずに済みます。

税金は、副業をどの契約の形で受けるかで、当てはまる条件が変わります。国税庁のタックスアンサー「給与所得者で確定申告が必要な人」では、次のように案内されています(国税庁タックスアンサー「給与所得者で確定申告が必要な人」)。

  • 業務委託で受ける場合は、本業の給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合に、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要です。
  • 雇用(アルバイトなど)で受ける場合は、給与を2か所から受けることになります。給与の全部が源泉徴収の対象となる場合に、年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える人は確定申告が必要です。

業務委託の場合の20万円は、受け取った報酬の額ではなく、所得の額で見ます。副業の報酬が雑所得に当たる場合、国税庁の案内では、業務に係る雑所得の金額は総収入金額から必要経費を差し引いて計算します(国税庁タックスアンサー「雑所得」)。

国税庁の案内では、これらの条件は、確定申告をすれば税金が還付される人を除いたものです。給与の年間収入金額が2,000万円を超える人など、ほかの条件もあるので、自分が当てはまるかは国税庁の案内か税務署で確認します。住民税の手続きは、お住まいの市区町村で確認してください。受け取った報酬と、作業に使った費用の記録は、最初の1件から残しておくと後で困りません。

最初の1件はどう進める?テスト作業から振り返りまで

ノートPCの画面に並んだ作業の行のうち、上の2行に緑のチェックが入っている場面と、横に置いた無地のノート

最初の1件は、量をこなすより、ルールどおりに付けられたかを確かめる練習として進めます。おすすめの順番は次のとおりです。

  1. マニュアルを最後まで読み、迷いそうな例に印を付ける
  2. 最初の数件だけ作業し、迷った例とその判断をメモに残す
  3. 迷った例は、自分で決めずに、決められた窓口で質問する
  4. 提出後に差し戻しがあれば、どのルールを読み違えたかをメモに足す
  5. かかった時間と報酬、差し戻しの件数を記録し、続けるかを決める

5の記録が、この副業を続けるかどうかの判断材料になります。報酬の見込みは、募集文の数字ではなく、自分が実際にかかった時間で見直します。思ったより時間がかかる、ルールが頻繁に変わる、と分かったら、その時点でやめてもかまいません。

作業中に扱う画像や文章は、依頼主から預かったデータです。AIツールに貼り付けて手伝わせる、画面を撮影してSNSに載せる、といった行動は、守秘のルールに反するおそれがあります。迷ったら、使ってよい道具をマニュアルか窓口で確かめてから使います。

アノテーションの経験は、ルールを読んで同じ基準で判断し続ける力として、ほかのAIの仕事につながる場合があります。一人で進めるのが不安な人は、AI副業準備室のコミュニティで、準備の進め方を同じ立場の人と確かめながら進められます。

関連して、副業20万以下なら確定申告は不要?所得での判定と住民税の申告も確認すると、この内容を次の判断につなげやすくなります。