AI副業の基礎
AI記事が薄いのはAIのせいではない|外注経験から作る記事指示書7項目
AIを変える前に、記事を書くための判断材料を渡せているか見直してみませんか。
ChatGPTに「副業について3000字で書いて」と頼んだのに、出てきた文章はどこかで見た話ばかり。
「文字数が足りないのか?」
「もっと性能のよいAIを使えば変わるのか?」
そう考えて、文字数を増やしたり、別のAIで作り直したりした経験はありませんか。
AI記事が薄くなる原因は、AIの文章力だけではありません。読者、記事の目的、自分の経験、完成の基準を渡さずに本文だけを頼めば、無難な一般論になりやすいのは自然です。
以前、アフィリエイト記事の外注を続ける中で、約50名のライターとやり取りしました。その経験をAIでの記事制作に置き換えると、先に用意すべきものが見えてきます。
この記事で紹介するのは、AIへ渡す「記事指示書」の7項目です。長い命令文を書くためのテンプレートではありません。AIに考えてもらう前に、自分で決めておくことを整理するための用紙です。
AIへの頼み方そのものを確認したい場合は、先にAIへの指示のコツを読んでください。ここではブログ記事の作り方だけに絞ります。
なぜAIに3000字と頼んでも一般論になるのか

AI記事が薄くなる一番の原因は、文字数ではなく材料の不足です。
「AI副業について初心者向けに書いてください」
この依頼だけでは、AIは誰に向けて書けばよいのか分かりません。会社員なのか、子育て中なのか。AIを初めて触る人なのか、すでにブログの初稿を作った人なのか。記事を読んだ後に、何をしてほしいのかも決まっていません。
材料が少ない状態では、幅広い人に当てはまりそうな説明が選ばれます。内容は間違っていない。文章も読みやすい。でも、今困っている読者が自分のための記事だと思える場面がない。
これが、AI記事を読んだときに感じる「薄さ」です。
では、文字数を増やせば解決するのでしょうか。
材料を変えずに3000字を5000字へ増やしても、一般論の説明が長くなるだけのことがあります。「もっと具体的に」と追加しても、具体化に使う事実がなければ、AIがもっともらしい例を作るかもしれません。
先に直すのは文字数ではなく、次の5点です。
- 読者が今どこで止まっているか
- 読後に何をしてほしいか
- 自分にしか出せない経験や検証結果
- 書いてはいけないこと
- どの状態なら完成なのか
モデルを変えるのは、その後です。同じ材料と完成条件で比べれば、モデルの違いも判断しやすくなります。
約50名との記事外注で分かった、依頼側が先に決めること

よいライターへ依頼しても、依頼内容が曖昧なら、こちらが求める記事にはなりません。
以前、アフィリエイト記事を書いてもらうライターを募集し、約50名の方とやり取りしました。記事外注について感じたことは、当時のブログにも記録しています。
外注を始めた頃は、詳しいライターならテーマと文字数を伝えれば、よい記事を書いてくれると考えていました。
ところが、納品された原稿を読むと、文章は整っているのに何かが違う。そこで「もう少し詳しくしてください」「初心者向けに直してください」と返しても、何を直せば完成なのかを自分でも説明できませんでした。
今振り返ると、書き手の問題ではありません。
私は頭の中にある読者像や記事の目的を、相手も分かっているつもりで依頼していました。使ってほしい経験も、避けてほしい表現も、完成と判断する基準も渡していなかったのです。
そこで、原稿を書く前に渡す内容を変えました。
- この記事は誰の、どの悩みに答えるのか
- 読み終わった人に何をしてほしいのか
- 私が実際に経験したことのうち、どこを使うのか
- 書いてほしくないことは何か
- どの状態なら納品完了なのか
修正の返し方も変えました。「もっとよくして」ではなく、「この説明では、未経験の読者が最初の作業を選べない」と理由を伝えます。すると、書き手と同じ基準で原稿を見られるようになりました。
ポイントは、相手を細かく縛ることではありません。
結論、事実、禁止事項は依頼側が決める。説明の順番や読みやすい例には、書き手が考えられる余地を残す。この分け方が大事でした。
AIには人のライターと同じ経験や動機はありません。それでも、依頼側が材料と完成基準を用意しなければならない点は共通しています。
薄い記事を防ぐ記事指示書7項目

記事指示書には、読者、目的、一次情報、結論、構成、禁止事項、完成条件の7項目を書きます。
空欄をAIに埋めてもらうための用紙ではありません。空欄になった場所を見つけて、自分で調べるか、今回は書かないと決めるための用紙です。
1. 読者が今どこで止まっているか
「副業初心者」のような広い肩書きだけでは足りません。検索する直前に、何が起きていたのかまで書きます。
例えば「AI副業に興味がある会社員」では、読者の悩みが見えません。
「ChatGPTでブログの初稿を作ったが、一般論ばかりで公開前に全部書き直している会社員」まで絞れば、記事で答える問題がはっきりします。
2. 記事を読んだ後にしてほしいこと
一つの記事で全ての悩みを解決しようとすると、話が広がります。
この記事で読者にしてほしいことは、古い依頼文を7項目へ書き換え、同じテーマで見出しだけを作り直すことです。次の行動を一つに決めると、入れる情報と削る情報を選びやすくなります。
3. この記事に入れる自分の経験
AI記事に足りないのは、派手な成功談ではありません。
自分が失敗した場面、試した手順、うまくいかなかった条件、実際に使った資料。これらも立派な一次情報です。
今回の記事なら、私が記事外注で依頼内容をうまく伝えられなかった経験を使っています。経験していない部分を、AIに体験談として補わせてはいけません。
4. 最初に伝える結論と例外
AIには、記事の結論を先に渡します。
今回の結論は「AI記事が薄いなら、モデルを変える前に記事指示書を見直す」です。ただし、指示書を作ってもモデルによる違いは残ります。存在しない事実が生まれるわけでもありません。
結論と一緒に「この方法で解決できないこと」も書いておくと、強すぎる断定を防げます。
5. 各見出しで読者に伝えること
見出し名だけでなく、その見出しを読んだ後に何が分かるのかを書きます。
- 原因の見出しでは、文字数より材料が不足していると伝える
- 外注経験の見出しでは、曖昧な依頼で実際に困ったことを伝える
- 7項目の見出しでは、そのまま使える型を渡す
- 確認の見出しでは、AIに任せない作業を伝える
- 最後の見出しでは、今日試す手順を示す
似た説明が別の見出しにも出てきたら、どちらかを削ります。
6. 書かないことと人が確認すること
収入の断定、確認していない数字、存在しない実績、顧客情報、秘密情報は書かないと決めます。
料金、制度、ツールの仕様など、変わる情報を使う場合は、確認する公式ページと確認日も指定します。出典が見つからない数字は、表現を弱めて残すのではなく、記事から外します。
7. 完成の基準と修正の伝え方
「3000字以上」だけを完成条件にしないことが大切です。
例えば、次のように決めます。
- 冒頭300字以内に記事の答えを書く
- 自分の経験を1か所以上入れる
- 読者が保存できるチェックリストを入れる
- 関連する内部リンクを2〜3件置く
- 数字、日付、固有名詞は人が確認する
修正するときも「薄い」「違う」だけで終わらせません。
手順は書かれていますが、未経験の読者がどれを選べばよいか分かりません。経験がある場合とない場合の選び方を追加してください。渡していない事実は作らないでください。
7項目を一枚にまとめると、次の形になります。
【記事指示書】
1. 読者が今止まっている場面
2. 記事を読んだ後にしてほしいこと
3. 使ってよい自分の経験と出典
4. 最初に伝える結論と例外
5. 各見出しで伝えること
6. 書かないことと人が確認すること
7. 完成の基準と修正を返す基準
上の材料だけを使い、最初に見出し案を作ってください。
足りない事実は推測せず、不足していると書いてください。
私が見出し案を確認してから、本文を作ってください。
記事指示書を作っても、最後は人が確認する

記事指示書を作っても、公開前の確認までAIへ任せることはできません。
私が確認するのは、主に次の3点です。
数字や固有名詞が元の情報と合っているか
日付、料金、制度、商品名、ツールの仕様は、元のページを開いて確認します。AIが出典URLを付けていても、そのページに同じ内容が書かれているとは限りません。
確認できない情報は、記事から外します。
自分の経験が大きな話に変わっていないか
「私はこの条件で失敗した」という経験が、「全員が同じ結果になる」という話へ変わっていないかを見ます。
私が約50名のライターとやり取りしたことは事実です。しかし、その経験だけで全ての外注やAI記事に同じ結果が出るとは言えません。この記事でも、私が依頼する側として気づいた方法に範囲を絞っています。
初心者へ無理な作業を勧めていないか
正しい手順でも、初めて試す人には作業量が多すぎることがあります。
副業では、勤務先の規則、守秘義務、契約、著作権、税務など、本人が確認すべきこともあります。AIが作った記事だけで、個別の判断を済ませないようにします。
Googleも、生成AIは調査や構成に利用できる一方で、正確性、品質、読者との関連性を重視するよう案内しています。価値を加えないページの大量生成は、検索結果を操作する目的だと判断される可能性があります。生成AIコンテンツに関するGoogle検索の案内と、人の役に立つコンテンツを作るための確認項目も、公開前に確認してください。
AIが書いた内容の確認方法は、AIの答えをうのみにしないコツでも解説しています。
10分で古い依頼文を記事指示書に変える

最初に試すことは、新しいAIを探すことではありません。過去に薄いと感じた依頼文を一つだけ開きます。
元の依頼文は消さず、次の順に書き足してください。
- 読者の肩書きの後ろに、今止まっている場面を書く
- 記事を読んだ後にしてほしいことを一つ決める
- 自分の経験か公式情報を一つ選ぶ
- 各見出しで何を伝えるかを一行で書く
- 書かないことと、人が確認する項目を書く
- 完成と判断する基準を書く
- 本文ではなく、見出し案だけをAIに頼む
いきなり本文を作り直さないことがポイントです。
見出し案だけを比べれば、同じ一般論を長く書き直す前に、どの材料が足りないのか分かります。
比較するときは、文章のうまさだけを見ません。
- 自分の経験が正しい意味で使われているか
- 読者が次の行動を選べるか
- 事実と自分の意見が分かれているか
この3点を確認します。変化がなければ、テーマが広すぎるのか、一次情報が足りないのか、AIが参照できない事実なのかを一つずつ確認します。
記事以外の依頼文も整えたい場合は、仕事で使えるAIへの依頼文テンプレ集も使えます。ただし、テンプレートを貼るだけでは、自分の経験は入りません。今回の7項目、とくに3番の一次情報と7番の完成基準は自分で書いてください。
AI記事が薄いと感じたら、過去の依頼文を一つ開いてください。
最初に確認するのは、モデル名でも文字数でもありません。7項目のうち、何も書けずに空欄になった場所です。
そこが、次の記事を作る前に人が考える場所です。