AIツールの使い方

調べもの仕事を、AIで時短する。集める・まとめる・確かめるの分け方

調べものに時間を取られている人へ。集める・まとめる・確かめるを分けるのがコツ。

ひとつ調べものを頼まれて、気づいたら午後がまるごと消えている。あちこちのページを開いて、読んで、また別のページに飛んで、結局どこから手をつけたか分からなくなる。終わってみると、まとめた中身よりも探していた時間のほうが長かった気がする。この感覚は、調べもの仕事を抱えている人ならたぶん覚えがあります。

時間がかかる原因は、調べる量が多いことだけではありません。集めながら同時にまとめようとして、まとめながら正しいか気にして、と全部を一度にやろうとするから止まります。頭の中で三つの作業が混ざると、どれも中途半端に進んで疲れます。先に工程を集める・まとめる・確かめるの三つに切り分けると、AIに任せられる部分と、自分がやるべき部分がはっきりします。それだけで、同じ調べものがずっと軽くなります。

まず「論点の地図」を作ってから集める

調べもので最初につまずくのは、何を調べればいいのか自体が見えていないときです。ゴールがぼんやりしたまま検索を始めると、関係ありそうなページを片っ端から開いて、読んでいるうちに最初の目的を忘れます。

ここでAIに頼むのは、答えそのものではなく地図です。「このテーマで、知っておくべき論点を箇条書きにして」と頼むと、調べるべき見出しの一覧が返ってきます。旅行の前に、行き先を全部決める前から地図だけ広げる感覚に近いです。どこに何があるかが見えてから動くと、迷子になりません。論点の一覧が手に入ると、自分が何を知っていて何を知らないかも見えてきます。

地図ができたら、その論点をひとつずつ埋めるように情報を集めます。全部を一気に集めようとせず、見出しごとに区切って進めると、抜けに気づきやすくなります。手元では、論点の一覧をそのままメモ帳に貼り付けて、調べ終わった見出しに印をつけていくと進み具合が一目で分かります。今日はここまで、と区切れるので、午後がまるごと溶けることもなくなります。

頼み方をもう少していねいにすると、地図の精度も上がります。テーマだけ渡すと一般論が返ってきがちなので、自分の状況や知りたい角度を添えます。たとえば調べる相手が初心者なのか経験者なのか、判断したいのか紹介したいのか。前提や条件を先に渡すコツはAIへの指示のコツにまとめているので、地図がうまく出ないと感じたら先にそちらを読むと早いです。

AIに下書きたたき台を出す人が確認・直す事実を確かめる完成自信を持って渡すAIは下書き。確認と仕上げは人がやる

「誰に・どんな形で」を指定してまとめる

集めた情報をそのままAIに「まとめて」と渡すと、当たりさわりのない要約が返ってきます。間違ってはいないけれど、自分の仕事には使いにくい。原因は、読む相手と形を指定していないからです。

まとめてもらうときは、相手と形をセットで伝えます。「読む人が忙しい経営者だとして、三つの見出しに整理して」「会議で口頭説明する想定で、要点を五行にして」のように指定すると、同じ材料でも出てくる形が変わります。料理でいうと、同じ食材でも、子ども向けのお弁当か来客用の一皿かで切り方も盛りつけも変わるのと同じです。相手を決めるほど、出てきたものを直す手間が減ります。

それでも、最初の一発で完璧な形は出ません。返ってきたまとめを見て、「二つ目の見出しをもっと具体的に」「専門用語を普通の言葉に置き換えて」と注文を足していきます。やり取りを重ねるほど形が整うので、一回で決めようとしないことです。資料の下書きまで頼みたいときは、たたき台の作り方をAIで資料の下書きをつくるに書いているので、まとめと下書きをつなげて使うと一気に進みます。

AIの答え事実は自分で確認数字・名前・日付・出典言い回しは任せる読みにくいだけで済む

数字・日付・固有名詞は、自分で裏を取る

ここが調べもの仕事でいちばん大事な工程です。AIは流れるような文章を書きますが、中身が事実かどうかをチェックしてから書いているわけではありません。ときどき、もっともらしい顔で間違えます。

特に間違いが混ざりやすいのは、数字、日付、固有名詞、出典の四つです。「この制度は◯◯年に始まりました」「料金は◯◯円です」のように、後から事実を問われる一文だけ取り出して、元のページを自分の目で確かめます。逆に「この方法は分かりやすいです」のような感想の部分は、間違いようがないので確認は要りません。事実を述べた文と、感想を述べた文を見分けるだけで、確かめる量はぐっと減ります。

出典をAIに聞くときも、答えをうのみにしないでください。実在しない本のタイトルや、つながらないリンクを、それらしく書いてくることがあります。挙がったページは実際に開いて、同じことが書いてあるか目で見る。図書館で「その話、何かの本にありましたよ」と教わっても、その本を開くまで引用していいか分からないのと同じです。

裏取りをした部分と、まだ確かめていない部分は、自分の中で分けておくと後が楽です。確かめた数字には印をつけ、未確認のものは文末を「らしい」のまま残しておく。そうしておくと、確認したつもりの数字とAIが言っただけの数字が、同じ顔で資料に並ぶのを防げます。確かめきれないものは断定で書かず、保留のまま正直に渡すほうが、後から訂正に追われるより結局は早いです。この確認のコツはAIの答えをうのみにしない確認のコツでくわしく書いているので、調べもののたびに見返せるようにしておくと安心です。

手が止まる白紙・ひとりで抱える前に進むAIに下書きを任せる止まっていた時間が、動き出す

公開情報の範囲でやる

調べものを速くしたい一心で、つい手元の資料を全部AIに貼り付けたくなります。ここで一度立ち止まってください。顧客からあずかった社内情報や、まだ公表されていない数字を、そのまま入力するのは避けます。

調べものは、公開されている情報の範囲で進めるのが基本です。たとえば取引先からもらった見積書の中身をそのまま貼って整理させるのではなく、自分で要点を一般的な言葉に置き換えてから相談する。あずかった現場の引き継ぎノートを、そのまま外に持ち出さないのと同じ感覚です。相手の信頼を守ることが、長く仕事を続けるうえでいちばんの土台になります。何が公開情報で何がそうでないか迷ったら、貼る前に一拍おいて、これは外に出して困らない情報かと自分に聞くクセをつけておくと事故が減ります。

三つに分けると、時間も信頼も守れる

集める・まとめる・確かめるを混ぜずに進めると、調べもの仕事はかなり軽くなります。集めるは論点の地図から始める。まとめるは相手と形を指定する。確かめるは数字と日付と固有名詞を自分で裏取りする。工程が分かれているぶん、それぞれを淡々とこなせます。

慣れてくると、この三工程は三十分の細切れ時間にも収まります。今日は集めるだけ、明日はまとめるだけ、と日をまたいで進めても構いません。まとまった時間を取れない日でも、短い区切りを積み上げる感覚で、調べものをその三十分に当てはめてみるとリズムがつかめます。AIに集めると下書きを任せて、自分は形を決めることと事実を確かめることに集中する。速さと正しさは、工程を分けたときに両方ついてきます。

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