AIツールの使い方

文章を作るAIの使い分け。書く・直す・短くする

同じAIでも、頼み方を変えると返ってくる文章が変わります。

AIに文章を頼んだのに、なんだか自分の言葉じゃない。直してほしかっただけなのに、全部書き換えられて元に戻せない。短くしてと言ったら、残したかった一文まで消えていた。同じAIを使っているのに、うまくいく日とそうでない日がある。その差は能力ではなく、何を頼んでいるかの違いです。

文章を作るAIには、大きく3つの使い方があります。一から書いてもらう。自分の文を直してもらう。長い文を短くしてもらう。手元に何があって、何をしたいか。これがはっきりすると、返ってくる文がぐっと安定します。逆にここが曖昧なまま「いい感じにして」と投げると、毎回ちがう方向の文が返ってきて、どこを直せばいいかも分からなくなります。

料理にたとえると分かりやすいです。冷蔵庫が空っぽなら、まず作ってもらう。作り置きがあるなら、味だけ整える。盛りすぎた皿なら、量を減らす。どれも料理ですが、やることはまったく違います。AIへの頼み方も同じで、入口を間違えると思った皿が出てきません。空っぽの冷蔵庫に「味を整えて」と言っても始まらないし、せっかくの作り置きを「一から作り直して」と頼めば、別の料理になって戻ってきます。

手元に何もないとき、一から書いてもらう

白紙の状態がいちばん手が止まります。お客さまへの案内文、お礼のメール、SNSの一言。何を書けばいいか分からないとき、書いてもらう使い方が向いています。ゼロから自分でひねり出すより、たたき台が一枚あるだけで気持ちがずっと楽になります。

頼むときは、相手と長さと用途を一緒に伝えます。たとえば「予約のキャンセルを受けたお客さまへの返信を、丁寧すぎない言い方で3行で」。相手が誰で、どれくらいの長さで、どんな場面か。この3つを渡すだけで、出てくる文の精度が変わります。逆に「案内文を書いて」とだけ頼むと、誰に向けたものか分からない、当たりさわりのない文が返ってきます。

ここでよくあるつまずきが、出てきた文をそのまま送ってしまうことです。書いてもらった文は、あくまでたたき台として読みます。自分の言葉に置き換えたい部分は書き直し、お店の事情に合わない一文は消します。たとえば営業時間や定休日のような細かい情報は、AIが勝手に埋めてしまうことがあるので、ここは人の目で見ます。実際にはやっていないサービスを、それらしく書き足してくることもあります。頼み方をもう少し詳しく知りたいときは、AIへの指示のコツも合わせて読むと、最初の一文で迷う時間が減ります。

AIに下書きたたき台を出す人が確認・直す事実を確かめる完成自信を持って渡すAIは下書き。確認と仕上げは人がやる

自分の文があるとき、直してもらう

すでに書いた文があるなら、一から書かせる必要はありません。直してもらう使い方のほうが、自分らしさが残ります。書く使い方とのいちばんの違いは、土台が自分の文かどうかです。

現場でよくあるのが、問い合わせへの返信です。自分なりに書いた文を貼って「この文を、もっとやわらかい言い方に」「失礼がないか見て、固いところだけ直して」と頼みます。中身はそのままで、言い回しだけ整えてくれます。一から書かせると別人の文になりがちですが、直す頼み方なら、書いた人の温度が消えません。お客さまは普段のあなたの言葉づかいに慣れているので、ここで急に文体が変わると、かえって違和感を持たれます。

似たような問い合わせに毎回ゼロから書いている人は、問い合わせ対応を、AIで速くするの進め方も参考になります。下書きを自分で持ち、整える部分だけAIに渡す。この順番だと、丸投げにならずに時間だけ減らせます。

ここで気をつけたいのは、直す範囲をこちらから決めることです。ただ「直して」と頼むと、必要のないところまで変えてくることがあります。「言い回しだけ」「敬語の部分だけ」「最後の一文はそのまま」と範囲を区切ると、戻したくなる書き換えが減ります。直した文を受け取ったら、変わった場所を元の文と見比べて、自分が意図していない変更がないかを確かめます。

AIの答え事実は自分で確認数字・名前・日付・出典言い回しは任せる読みにくいだけで済む

長くて伝わらないとき、短くしてもらう

書いているうちに長くなって、結局何が言いたいか分からない。そんな文は、短くしてもらいます。短くする使い方は、書く・直すとは目的がちがって、削る判断を手伝ってもらう作業です。

たとえば、案内文が10行に膨らんでしまったとき。「この文章を、大事なところを残して5行に」と頼みます。ここで大切なのは、何を残すかを人が決めることです。AIは長さは縮めますが、どれが本当に大事な一文かまでは分かりません。お店にとっていちばん伝えたい一言が、AIから見ればただの飾りに見えて、まっさきに消されることがあります。

短くなった文は、元の文と並べて読み返してください。手元に元の文を残しておけば、消えすぎた部分をすぐ戻せます。赤ペンで原稿を削るときと同じで、消す前のものが手元にあるから、安心して短くできます。元の文を上書きで消してしまうと、戻したくなったときに頼る先がなくなります。短くする前に、元の文を別の場所にコピーしておくだけで、この事故は防げます。

もう一つの手は、短くしてもらったあとに「どこを削ったか教えて」と聞くことです。何を落としたかが分かれば、戻すべき一文をひと目で見つけられます。全部を読み比べるより早く、消えてはいけない情報だけを拾い直せます。

手が止まる白紙・ひとりで抱える前に進むAIに下書きを任せる止まっていた時間が、動き出す

使い分けが分からなくなったとき

3つのうちどれを頼めばいいか迷ったら、手元に何があるかで決めます。何もないなら書いてもらう。書いた文があるなら直してもらう。長すぎるなら短くしてもらう。入口さえ間違えなければ、返ってくる文は大きく外れません。

迷う多くの場面は、直したいだけなのに「書いて」と頼んでしまうケースです。すると別人の文が返ってきて、自分の文に戻す手間が増えます。直したいのか、新しく作りたいのか。これを先に決めるだけで、やり直しが減ります。手元のメモに「いま自分は書く・直す・短くするのどれをしたいか」を一言だけ書いてから頼むと、頭の中が整理されて、頼み方もまっすぐになります。

最後は人が読み返す

どの使い方でも、AIが出した文をそのまま外に出すのは早すぎます。書いてもらった文も、直してもらった文も、短くした文も、最後に人が一度読み返します。ここを省くと、せっかく時間を減らしても、あとで謝る時間が増えてしまいます。

確認するのは2つです。事実が合っているか。失礼な言い方になっていないか。日付や金額、相手の名前。AIは自信たっぷりに間違えることがあるので、事実は人の目で見ます。とくに金額や日時は、相手にそのまま伝わる情報なので、声に出して読むくらいの気持ちで確かめます。なぜそのまま信じない方がいいのかは、AIの答えを、うのみにしないコツでもう少し詳しく書いています。

AIは下書きを作る相手で、最後の責任を持つのは自分です。書く・直す・短くするの3つを場面で選び、出てきた文は自分の目で確かめる。この順番が身につくと、文章づくりにかかる時間は確かに軽くなります。

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