AIツールの使い方

Codexを使い始める前に整える設定。初心者が最初に見る5つの場所

Codexを開いたけれど、何を頼む前に何を確認すればいいのか分からない人へ。

Codexを使ってみたい。でも、いきなり自分の仕事フォルダを開いてよいのか、どこまで任せてよいのか、変更されたファイルをどう見ればよいのかで手が止まることがあります。AIに作業してもらう前の不安は、ツールの知識不足というより、作業場所と止める線が決まっていないことから起きます。

原因は、Codexを「何でもやってくれるAI」として開いてしまうことです。実際には、Codexは作業机に座るスタッフに近いです。机の上に何を置くか、触ってよい範囲はどこか、最後に誰が確認するかを先に決めると、初心者でも落ち着いて使い始められます。

ここでは、Codexの細かい機能を全部覚える前に整える5つの設定を扱います。すでにCodexアプリの入口を見たい人はCodexアプリの始め方。初心者が最初に整える作業台も合わせて読むとつながります。

最初に作るのは、練習用の作業フォルダ

静かな机の上で、ノートパソコンと空のノートを前に練習用フォルダを準備しているイメージ

最初に整えるのは、モデル設定ではなく作業フォルダです。Codexはフォルダの中身を読んで作業します。だから、最初から本番サイト、顧客資料、契約書、秘密情報が混ざった場所を開くと、何を見せているのか分からないまま進んでしまいます。

初心者は、まず練習用フォルダを1つ作ります。名前は何でもよいですが、たとえば codex-practice のように、練習だと分かる名前にします。その中に README.md を1つ置き、目的と守ることだけを書きます。

# Codex練習用

目的: Codexにファイルを読ませ、変更前に提案してもらう練習をする。

守ること:
- 秘密情報は入れない
- 外部送信はしない
- 変更前に説明をもらう

これは、料理を始める前にまな板をきれいにする感覚です。冷蔵庫のものを全部出してから考えるのではなく、今日使う材料だけを机に置く。Codexでも、最初は見せるものを減らしたほうが、失敗したときの戻し方が見えます。

実務フォルダを使う場合も、いきなり全部を任せないほうが安全です。まずは読むだけ、説明だけ、差分の確認だけにします。特に .env、認証情報、顧客名、メール本文、社内URL、契約条件、未公開の数字は入れません。Codexに任せる前に、人が見せる範囲を決める。この順番が、最初の設定です。

AIに下書きたたき台を出す人が確認・直す事実を確かめる完成自信を持って渡すAIは下書き。確認と仕上げは人がやる

Gitは、作業前のセーブポイントとして使う

ノートパソコンの横にメモ帳と小さな付箋があり、作業前の状態を確認しているイメージ

次に見るのはGitです。Codexはファイルを編集できます。便利ですが、編集前の状態が分からないと、どこが変わったのかを追えません。Gitは上級者だけの道具ではなく、作業前のセーブポイントとして使えます。

練習用フォルダなら、最初は次の流れで十分です。

git init
git status

git status は、いま変更されているファイルを見るための確認です。Codexに作業を頼む前に見て、作業後にも見ます。差分が出たら、何が変わったのかを確認します。

ここで大事なのは、Gitの用語を全部覚えることではありません。見る場所を決めることです。

  • 作業前に変更が残っていないか
  • Codexが触ったファイルはどれか
  • 自分が頼んでいないファイルが変わっていないか
  • 秘密情報や本番設定に近いファイルが変わっていないか

ゲームでたとえるなら、強い敵に挑む前のセーブです。失敗しても戻れる場所があるから、少し先へ進めます。Codexを使う前のGitも同じです。セーブポイントを作らずに進むと、AIが悪いというより、人間側が戻る道を用意していない状態になります。

AIの答えをそのまま信じずに確認する考え方は、AIの答えをうのみにしない。仕事で使う前の確認ポイントとも同じです。Codexの差分も、AIの文章と同じように「下書き」として受け取ります。

AIの答え事実は自分で確認数字・名前・日付・出典言い回しは任せる読みにくいだけで済む

承認設定は、最初は止まりやすくしておく

パソコン画面の前で、設定項目を確認しながら手元のノートに境界線を書いているイメージ

3つ目は承認設定です。Codexには、ファイル編集、コマンド実行、外部サービス連携など、作業の重さが違う行動があります。最初は、止まりやすい設定にしておくほうが安心です。

考え方は単純です。読む、説明する、提案する、下書きを作る。このあたりは軽い作業です。一方で、外部に送る、本番へ反映する、課金に関わる、DBを変える、秘密情報を更新する作業は重い作業です。初心者のうちは、重い作業に入る前に人間が確認する形にします。

最初に決める線引きは、次のようなものです。

  • 読むだけなら任せる
  • 下書き作成や小さな修正は、差分確認を前提に任せる
  • コマンド実行は、内容を見てから許可する
  • 外部送信、SNS投稿、本番公開、支払い、DB変更は任せない
  • .env、認証情報、顧客情報は読ませない

これは、仕事を新人に任せるときの「ここまでは自分で進めてよい、ここから先は声をかけて」と同じです。全部を禁止すると練習になりません。逆に全部を許可すると、どこで止まればよいか分からなくなります。

Codexに最初から大きな権限を渡す必要はありません。練習中は、確認が入る状態で使います。慣れてきたら、読むだけの作業、小さなdocs修正、ローカルテストのように、戻せる範囲から少しずつ広げます。設定は強さを見せる場所ではなく、事故を小さくする場所です。

手が止まる白紙・ひとりで抱える前に進むAIに下書きを任せる止まっていた時間が、動き出す

差分を見る場所を先に決めておく

ノートパソコンと印刷した紙を並べ、変更前後を見比べている手元のイメージ

4つ目は差分確認です。Codexに頼んだあとに見るべき場所を決めておくと、作業が急に怖くなくなります。何を変えたのかが分からないまま「たぶん大丈夫」で進めるのが、いちばん危ない状態です。

差分を見るときは、上から全部を読み込もうとしなくて大丈夫です。最初は次の順番で見ます。

  1. 変更されたファイル名
  2. 追加された文章や設定
  3. 削除された文章や設定
  4. 自分が頼んだ内容と違う変更
  5. 秘密情報、本番、外部送信に近い変更

たとえば記事を書かせたのに、設定ファイルや環境変数に近いファイルが変わっていたら、いったん止めます。逆に、記事本文と画像ファイルだけが変わっていて、内容も依頼通りなら確認しやすいです。

差分確認は、赤ペンで原稿を見る作業に近いです。赤ペンを持つ人は、全部を作り直す人ではありません。変わった場所を見て、残すか戻すかを決める人です。Codexを使うときも、人間は最後の赤ペン担当として残ります。

Codexにこう頼むのも有効です。

変更後に、触ったファイルと変更理由を短く説明してください。
秘密情報、本番公開、外部送信、課金、DB変更に関わる差分があれば、先に警告してください。

この依頼を入れても、最終確認をAIに任せるわけではありません。AIに説明させたうえで、人間が差分を見る。二重に見ることで、見落としを減らします。

最初の依頼文は、編集ではなく説明から始める

ノートに短い依頼文を書き、パソコン画面の前で作業を始める準備をしているイメージ

最後に整えるのは、最初の依頼文です。初心者が最初にやるべきことは、いきなり「直して」ではありません。まずは「読んで説明して」です。Codexがフォルダをどう理解するかを見るだけでも、かなり練習になります。

使いやすい最初の依頼文は、これです。

このフォルダはCodexの練習用です。

まだファイルは変更しないでください。
README.mdを読んで、次の3つを日本語で説明してください。

1. このフォルダの目的
2. Codexに任せてもよさそうな作業
3. 人間が確認すべき作業

最後に、次に試す小さな依頼を3つ提案してください。

ポイントは、「まだファイルは変更しないでください」と先に書くことです。これで、Codexが読むだけの状態から始められます。慣れたら、次に小さな編集へ進みます。

README.mdを初心者向けに少し読みやすくしたいです。

まず編集はせず、直す候補を3つだけ提案してください。
私がOKと言ったら、最小限の修正だけしてください。

この流れなら、提案、確認、編集、差分確認の順番ができます。AIに丸投げするのではなく、短いキャッチボールで進める形です。AIへの頼み方全体はAIへの指示のコツ。頼み方を変えるだけで答えが変わるの考え方がそのまま使えます。

Codexを使い始める前に整えるものは、難しい設定名ではありません。作業フォルダ、Git、承認設定、差分確認、最初の依頼文。この5つです。道具を強くする前に、作業台を整える。ここまで決めてから触ると、Codexは怖いツールではなく、戻れる範囲で試せる作業相手になります。

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