AIツールの使い方

無料のAIだけで、今日できること。お金をかけない始め方

有料のものを契約する前に。無料の範囲でも、できることはたくさんあります。

AIを仕事に入れてみたいけれど、月いくらか払う前に、本当に役に立つのか確かめたい。そう思って手が止まっている人は多いはずです。無料の枠で十分なのか、結局すぐ有料に誘導されるのか、その線引きが見えないまま、なんとなく後回しになっていませんか。

先に言ってしまうと、無料の範囲でできることは思っているより広いです。ブラウザがひとつあれば、今日その場で試せます。スマホでもパソコンでも、メールアドレスを登録すれば数分で使い始められます。お金を払うかどうかは、無料で何度か使って手応えを感じてからで間に合います。ここでは、登録してすぐ役に立つ使い方を5つと、無料で使うときに気をつけたい点を整理します。

文章のたたき台を、ゼロから書かずに用意する

白紙のメール画面を前にして、最初の一文が出てこない。あの時間が一番つらいところです。AIに「飲食店の予約お礼メールの下書きを、ていねいすぎない感じで」と頼むと、骨組みができて返ってきます。

料理でいえば、出汁を一から取らずに、できあいの出汁から始めるようなものです。味つけは自分でやる。たたき台があれば、直す作業は驚くほど速く進みます。手元では、案内文、お知らせ、お礼状、求人の文面など、形が決まっているものほど効果が出ます。

注意したいのは、返ってきた文をそのまま送らないことです。AIの下書きはどこか他人行儀で、自分のお店の温度感とずれていることがあります。一度声に出して読み、引っかかる言い回しを自分の言葉に置き換えてから使います。頼み方をもう少し詰めたい人は、AIへの指示のコツも合わせて読むと、返ってくる文章の質が変わります。

AIに下書きたたき台を出す人が確認・直す事実を確かめる完成自信を持って渡すAIは下書き。確認と仕上げは人がやる

長い文章を、要点だけに縮める

読まないといけない長いメールや、議事録のメモがたまっていく。全部に目を通す時間はない。そんなときは、本文を貼り付けて「3行で要点だけ教えて」と頼みます。返ってくるのは、判断に必要なところだけです。

たとえば取引先からの長い問い合わせを貼って要点を出してもらえば、何を聞かれているのかが先に見えます。全文を読み返してから返信内容を考える、という順番が逆になります。会議の長い録音を文字に起こしたメモも、要点だけ抜いてもらえば、その場にいなかった人へ短く共有できます。

ただし、お金や日付がからむ大事な部分は、要約だけで判断しないでください。3行に縮める過程で、条件や但し書きが落ちることがあります。要約は地図として使い、契約や数字に直結するところは元の文を自分の目で確かめる。この二段構えにしておくと安心です。

わからない言葉を、その場でやさしくしてもらう

資料の中に知らない専門用語が出てきて、調べに行ったらまた知らない言葉が増える。あの遠回りを止められます。「この言葉を、中学生にもわかるように説明して」と頼むと、かみくだいた説明が返ってきます。

調べものの段差がひとつ減るだけで、止まっていた手が動き出します。さらに「身近なたとえで」と付け足すと、頭に残りやすい説明になります。クラウドソーシングや業務委託といった、副業を始めるとよく出てくる言葉も、最初にここでならしておくと後がスムーズです。意味がぼんやりしたまま読み進めるより、その都度ひとことで押さえるほうが、結果的に早く進みます。

気をつけたいのは、AIの説明がいつも正しいとは限らないことです。それらしい言い回しで、事実とずれた説明が混じることがあります。仕事の判断に直結する内容なら、説明を入口にして、公式サイトなどの一次情報でも裏を取る。この姿勢についてはAIの答えを、うのみにしないコツでくわしく書いています。

AIの答え事実は自分で確認数字・名前・日付・出典言い回しは任せる読みにくいだけで済む

アイデアの数を、一緒に並べる

SNSの投稿ネタが思いつかない。自分の頭だけで考えると、いつも同じ方向に寄ってしまう。そういうときは「個人経営のパン屋のインスタ投稿のネタを10個」と頼みます。10個並べば、その中に使えるものが1つか2つは混ざっています。

全部を採用する必要はありません。並んだ案を見て、これは違う、これは試したい、と選ぶだけで、ゼロから絞り出すよりずっと楽です。出てきた案のひとつに「この方向でもっと出して」と返せば、自分の引き出しになかった切り口が広がっていきます。ブレストの相手が一人増えた、くらいの感覚で使うとちょうどいいです。

メッセージの言い回しに迷ったとき、角を取る

断りの返信や、催促の連絡。文面はできているのに、きつく見えないか心配で送信ボタンを押せない。そんな経験はありませんか。書いた文を貼って「もう少しやわらかい言い方に直して」と頼むと、角の立たない表現に整えてくれます。

逆に、ていねいすぎて回りくどいと感じたら「もっと簡潔に」と頼めば締まります。相手や場面に合わせて、同じ内容のまま温度だけを変えられるのが便利なところです。書く・直す・短くするの使い分けは文章を整えるAI、使い分けの基本にまとめてあるので、場面ごとの選び方はそちらが参考になります。

手が止まる白紙・ひとりで抱える前に進むAIに下書きを任せる止まっていた時間が、動き出す

無料で使うときに、知っておきたいこと

無料の枠は広いですが、できないこともあります。1日に使える回数に上限があったり、最新の高性能なものは有料側に置かれていたりします。使い込んでいくうちに「ここから先は払ったほうが速い」と感じる場面が出てきます。その手応えが、課金を考えるサインです。逆に言えば、その手応えが来るまでは無料で十分ということでもあります。

もうひとつ、無料か有料かに関わらず大事なのは、入力する中身です。お客さまの名前や連絡先、社外秘の数字を、そのまま貼り付けるのは避けます。サービスによっては入れた内容が学習に使われる設定になっていることがあり、無料サービスほどその扱いには気を配りたいところです。固有名詞は伏せ字にする、具体的な数字は仮の値に置き換える。この一手間で、安心して試せる範囲がぐっと広がります。練習の段階では、自分のお店ではなく架空のお店を題材にしてみるのも手です。失敗しても誰にも迷惑がかからない場所で、頼み方の感覚をつかんでから本番に持ち込めます。

まず1つ、今日のうちに試す

5つ全部を覚える必要はありません。今いちばん時間を取られている作業を1つ選んで、それをAIに頼んでみる。下書きづくりでも、要約でも、言い回し直しでもかまいません。うまくいかなくても、頼み方を少し変えてもう一度試せば、返ってくるものは変わります。

返ってきた答えはあくまで下書きです。最後に人の目で確認して、自分の言葉に直す。この一線さえ守れば、無料の範囲でも仕事の助けになります。手応えがあったら、何にお金を払うかを考えればいい順番です。

この記事をシェアX で共有LINE で送る

コメント

まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。

あわせて読みたい

AIツールの使い方6分で読めます

調べもの仕事を、AIで時短する。集める・まとめる・確かめるの分け方

調べものに時間を取られる人へ。集める・まとめる・確かめるの3工程に分けて、AIで効率よく進めるコツを初心者向けにやさしく解説します。

AIツールの使い方6分で読めます

AIで資料の下書きを作る。白紙からの時間を減らす手順

提案書やスライドの最初の1枚が重い人へ。AIにたたき台を作らせて、人が仕上げるまでの進め方を初心者向けに解説します。

AIツールの使い方6分で読めます

音声の文字起こしをAIに任せる使い方

録音した打ち合わせやインタビューの文字起こしを、AIに下書きさせて自分で直す手順。渡してよい音声の見分け方まで、初心者向けにやさしく解説します。