AIツールの使い方

AIで予定や情報を整理する方法

やることが多すぎて、何から手をつけるか分からない。その整理をAIに手伝わせます。

頭の中にやることが十も二十もある日は、考えれば考えるほど動けなくなります。どれが急ぎなのか、何を忘れているのか、自分でも分からなくなる。紙に書こうとしても、書く順番で迷って手が止まる。やる気の問題ではなく、頭の中だけで全部をさばこうとしているから疲れるだけです。

ここをAIに渡すと、ばらばらだった予定やメモが、見やすい形に並びます。大事なのは、完成した予定表を作らせることではありません。自分が直せる、整理のたたき台を出させることです。たたき台があれば、ゼロから考えるよりずっと楽に動けます。

副業を始めようとすると、本業の用事に副業の準備が重なって、やることはさらに増えます。だからこそ、頭の中を一度どこかに出して並べる作業の価値が上がります。整理そのものが目的ではなく、次の一歩を迷わず踏み出すための地ならしだと考えると、力の入れどころが見えてきます。

まず頭の中を全部吐き出す

最初にやるのは、順番も体裁も気にせず、思いついたことをそのまま書き出すことです。「明日までに見積もり」「歯医者の予約」「あの人に返信」みたいに、箇条書きでかまいません。ここで整えようとすると、また手が止まります。とにかく外に出すのが先です。

書き出したものをAIに貼って、こう頼みます。「これを種類ごとに分けて」。仕事、買い物、連絡、家のこと、というふうに、似たものがまとまって戻ってきます。一気に二十個ある状態を見ると気が重いのに、四つか五つの山に分かれただけで、不思議と取りかかれる気がしてきます。

このとき、書き出す段階で自分の言葉づかいがばらばらでも気にしなくて大丈夫です。「メール返す」「電話する」「あれ確認」みたいに雑なメモでも、AIは似た意味のものを寄せてくれます。きれいに書こうとして手が止まるより、頭に浮かんだ順にどんどん吐き出して、そろえる作業はAIにまかせるほうが楽です。

料理の下ごしらえに似ています。野菜と肉と調味料がシンクにごちゃ混ぜに置いてあると、何から切るか迷います。先に種類ごとにまな板の脇へ寄せておくと、手が動き出す。AIにやらせているのは、この「寄せておく」作業です。中身を作るのではなく、見える形に並べているだけです。

分け方の名前を自分で決めてもいいです。「仕事」「家のこと」「あとで考える」の三つだけにして、と指定すれば、その枠に振り分けてくれます。枠が多すぎると、どこに入れるか自分が迷うので、最初は三つか四つにしておくと扱いやすいです。

戻ってきた結果を見て、分け方がしっくりこなければ、もう一度頼み直してかまいません。「連絡と仕事を一つにまとめて」と言えば枠が減りますし、「家のことをもっと細かく分けて」と言えば増えます。一発で正解を出させようとせず、二、三回やりとりして自分が見やすい形に寄せていくほうが、結局は早く落ち着きます。

頼み方が曖昧だと、戻ってくる整理もぼやけます。「いい感じにまとめて」では、AIも何を基準にすればいいか分かりません。短くてもいいので、何をどうしてほしいかを具体的に書くと精度が上がります。この感覚はAIへのお願いのコツで詳しく書いています。

入口を1つに絞る見本を1つ作る無理のない量にする

締め切り順に並べてもらう

種類で分かれたら、次は順番です。「締め切りが近い順に並べて」と頼みます。何が先で何が後か、ぱっと見えるようになります。締め切りがはっきりしないものは「急ぎかどうか分からないもの」として最後にまとめてもらうと、判断が要るものだけが手元に残ります。

自分で並べ替えようとすると、「これとこれ、どっちが先だっけ」と細かいところで迷います。でも、いったんAIが並べた形があれば、おかしいところだけ直せばいい。ゼロから順位をつけるより、出てきた順番に赤ペンを入れるほうが、頭の負担はずっと軽いです。

手元では、こんな直し方になります。AIは「歯医者の予約」を下のほうに置いたけれど、予約電話の受付が今日までだった。だから自分で上に上げる。逆に「資料の清書」は急ぎに見えて、本当の締め切りは来週だった。だから下げる。AIが出した順番は、あくまで仮の並びです。本当の優先度を知っているのは自分のほうです。

ここまで来ると、長かったリストが「今日やる三つ」と「あとで回す残り」に分かれてきます。全部を一度にやろうとしないで、上の三つだけを今日の分として切り出す。残りは明日また並べ直せばいい。まとまった時間がない人ほど、この切り出しが効きます。短い時間の使い方は1日30分の作り方も合わせて読むと、進め方がつかめます。

1入口を決める2小さく作る3続けて広げる

公開してよい情報だけ渡す

整理を頼むとき、何でもそのまま貼ってよいわけではありません。人の名前、取引先の社名、まだ表に出していない予定、金額の入った話。こういうものは、AIに渡す前に外しておきます。

理由は、信頼を守るためです。仕事の相手は、自分との間でその情報を預けてくれています。それを軽い気持ちで外のツールに流すのは、約束を破ることに近い。整理は、出しても困らない範囲のメモでやれば十分です。

たとえば「Aさんに見積もりを返信」なら、「取引先に見積もり返信」と書き換えてから渡す。「田中歯科の予約」なら「歯医者の予約」にする。これだけで、整理の役には立つのに、守るべき中身は出ていません。慣れないうちは、貼る前にもう一度だけ読み返す。固有名詞や数字が残っていないか目で追うだけで、多くの事故は防げます。

整理に必要なのは、その用事が何の種類で、いつまでにやるか、それだけです。相手が誰か、いくらの話かまでは、並べ替えに関係しません。だから外しても整理の質は落ちません。むしろ、中身をぼかしておいたほうが、画面に貼ったまま席を立っても気にせずにすみます。最初に一度この書き換えの癖をつけておくと、毎回どこまで出していいか迷わずにすみます。

AIに下書きたたき台を出す人が確認・直す事実を確かめる完成自信を持って渡すAIは下書き。確認と仕上げは人がやる

最後は自分で見直す

AIの整理は、便利ですが時々ずれます。分け方がしっくりこない、順番が現実と合わない、そもそも入れたつもりの用事が抜けている。そういうことが起こります。

だから、並んだ結果をそのまま今日のリストにはしません。一度ざっと目を通して、おかしいところを直す。この最後の一手間を飛ばすと、整ったように見えて中身がずれたリストで一日を動くことになります。AIは下書きを書く係、決めるのは自分、と分けておくと安心して使えます。

見直すときのコツは、上から三つだけ本気で確かめることです。下のほうは今日は動かさないので、ざっと眺めるだけでいい。全部を完璧に直そうとすると、また整理に時間を取られて本末転倒になります。直すのは、これから手を動かす範囲だけで十分です。

この「鵜呑みにしない」姿勢は、予定の整理にかぎらずAIを仕事に入れるとき全部に効きます。なぜそうなのかはAIの答えを鵜呑みにしないで掘り下げています。

整理は、書き出す、分けてもらう、締め切り順に並べてもらう、自分で見直す。この四つの流れに落とせます。今日のやることだけでいいので、思いつくまま書き出して、AIに「種類ごとに分けて」と一度頼んでみると、頭の中が軽くなる感覚がつかめます。

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